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先輩たちのキャリア

キヤノン株式会社

1989年度 美術学部 デザイン専攻卒

卯西 涼子さん

UNISHI Ryoko

キヤノン株式会社

インタビュー

Q 愛知芸大を選んだ理由を教えてください。

子供の頃から絵を描くのが好きで、高校の時に美術系大学に進学すると決めました。その中で愛知芸大の場合は自宅から通学できると思ったから…ですが、あまりに交通の便が悪すぎて、結局入学半年で長久手に住みはじめました。

Q 学生時代はどのように過ごし、どんな作品を作っていましたか?

大自然のなかで、のんびりと生きていました。2年次の課題で制作したFRP製スツールのデザイン行程が面白くて、3年次でインダストリアルデザインを専攻しました。それまでは平面作品が多かったのですが、専攻に進んでからは立体物が中心に、木材や金属などのマテリアルへの興味も深くなっていきました。

当時のデザイン棟での一コマ

当時のデザイン棟での一コマ

インダストリアルデザイン専攻でのモビリティ課題を、故 河村教授に講評いただいている様子

インダストリアルデザイン専攻でのモビリティ課題を、故 河村教授に講評いただいている様子

課題で制作したFRP製スツール

課題で制作したFRP製スツール

Q 授業や課題以外で取り組んでいた活動はありますか?

隙間時間はすべてアルバイトに費やしていました。喫茶店のフロア担当から始まり、デザイン事務所でのアシスタント、歯科医院での助手、政党新聞の配達、スーパーの品出しなど、常に3~4つのバイトを平行していました。そこで出会った、特にデザイン畑ではない方々のそれぞれ異なる価値観は、自分の視点の広がりに繋がったと思っています。

Q 会社を選んだ理由を教えてください。

「東京に出ること=広い世界に出ていくこと」「社会と繋がり続けたい」という2点に加えて、長く働き続けたいと思っていたので「将来性」「安定性」で就職先を探しました。その観点では「人の生活に身近な商品」を扱っている大手メーカー一択でした。その中でもカメラ?プリンターのほか医療機器?放送機器など、多角的に事業展開をしている点に魅力を感じ、キヤノンへ応募しました。

Q これまでの主な業務内容を教えてください。

入社時はプロダクトデザイナーとして採用されプリンター外装デザインを担当していました。ソフトウエアにグラフィカルユーザーインタフェース(GUI)が搭載される時代になり、デザイン業務が急増し、上司からの勧めもあり、4年目でUIデザイナーに転向しました。弊社のUXUIデザインの黎明を担い、現在は、コンシューマ向けから一般オフィス向け、印刷工場などに導入される商業産業印刷機など、キヤノンが扱っている全プリンター製品のUXUIデザイン統括を担当しています。結果的に、ユーザー行動を広い視野で分析し課題解決をトータルでデザインできるUXUIデザインが自分に合っていたと思います。

Q  長くキャリアを築いてこられた(頑張ってくることができた)秘訣等について教えてください。

「①周囲の関係性」「②自分軸を持つ」「③柔軟さ」の3点です。若い頃は自分に足りないスキルを補うのに、多くの先輩や開発者の皆さんに助けて貰ってきました。ライフステージの変化、特に子供ができた後は、家族と同僚の理解と協力が不可欠でした。仕事の上で信頼を得続けるために「①周囲との関係性」の構築は重要なファクターです。また絶対に譲れないブレない「②自分軸を持つ」一 方、状況に合わせて多少の妥協を許容できる「③柔軟さ」を身に着けることで、自分自身が納得する働き方(ワークライフバランス)が確立できていきました。

Q 入社当時と現在で、”デザイナー”の立ち位置や役割期待の変化について

ソフトエンジニアにとってのデザイナーは、30年前はお絵描き屋でした。「僕たちの作ったソフトをササっときれいにしてよ」くらいの扱いで。都度「製品にとって重要なのは使いやすさで、そのためにはユーザーを知ることが不可欠」を訴え続けてきました。今は「ユーザー視点」の重要性を開発者が一番に理解し、ユーザー満足度向上に向け、自分たちの技術を活かすためにはどうすればよい?と相談される立場に変わってきています。デザイナーの役割や期待は、目指す将来像(ゴール)の可視化を通して企画?開発?生産?販売など関係部門を繋げることに変化しています。

Q インハウスデザイナーの魅力って何ですか?

社内にモノづくりをする仲間がたくさんいる点です。一つの製品を開発する中にも、電気?メカ?ソフトなど様々な設計者がそれぞれの視点や専門性で「いい製品を世に出したい」と思っています。デザイナーがいいと思うものをどう製品に仕立てていくか、一つのゴールに向かってそれぞれが切磋琢磨しながら作り上げていくところが魅力です。特に商品化決定前の、要素技術の段階で「この技術を活かすには?」というところからデザイナーが関わることができます。インハウスだからこそ、密に相談を受け、近い距離で共に考える、そんな機会に恵まれていると思います。

Q 大学時代にどんな力を身につけたらよいですか?

「表現力」と「それを裏付ける基本的なデザインスキル」だと思います。ここでいうスキルとは、市販ツールの習熟度ではなく、色彩や構成力などデザインを構成する要素についての知見です。AIが担う領域が確実に広がる未来において、デザイナーはAIが生成したアウトプットを「適切に評価し、商品に仕立てていくためにブラッシュアップ」する立場になっていくと推測します。自信をもってAIと付き合っていくためにも学ぶ機会を最大限利用して身に着けられるスキルはどんどん吸収して行ってほしいです。